« コラム一覧に戻る

【例文あり】人事を唸らせる「ガクチカ」の書き方|見つからない人のための探し方から徹底解説

2025/9/11

ガクチカの書き方を解説!

【例文あり】人事を唸らせる「ガクチカ」の書き方|見つからない人のための探し方から徹底解説

「学生時代に最も力を入れたことは何ですか?」

エントリーシートや面接で、必ずと言っていいほど問われるこの質問、通称**「ガクチカ」**。 多くの就活生が、「特別な経験なんてしていない…」 「全国大会で優勝したとか、起業したとか、そんな華々しい話はない…」と頭を抱え、筆が止まってしまう最難関のテーマの一つです。

しかし、断言します。企業の人事は、あなたの経験の「すごさ」を見ているわけではありません。 むしろ、ありふれた経験の中にこそ、あなたの人柄やポテンシャルという「原石」が眠っているのです。

この記事では、「特別なガクチカが見つからない」と悩むあなたのために、経験の原石を見つけるための探し方から、その原石を人事を唸らせる宝石へと磨き上げる最強のフレームワーク「STAR メソッド」、そして具体的なOK/NG 例文まで、ガクチカの全てを徹底的に解説します。


そもそも、企業はガクチカで何を見ているのか?

まず、敵(採用担当者)の視点を理解しましょう。彼らがガクチカから知りたいのは、主に以下の 3 点です。

  1. 思考力と課題解決能力: 困難な状況に直面した時、その原因をどう分析し、どんな工夫をして乗り越えようとしたのか。そのプロセスから、あなたの仕事における再現性のある能力を見ています。
  2. 主体性と行動力: 誰かに指示されるのではなく、自らの意思で目標を設定し、周囲を巻き込みながら行動を起こせる人材か。
  3. 人柄と価値観: あなたがどんな時にモチベーションを感じ、チームの中でどんな役割を担うことが多いのか。その人柄が、自社の文化とマッチしているか。

つまり、「海外ボランティアで子供たちを救いました」という結果よりも、「アルバイト先で売上を上げるために、仲間とこんな工夫をしました」という具体的なプロセスの方が、人事にとっては遥かに魅力的で、評価しやすいのです。


【ガクチカが見つからない人へ】経験の棚卸しをする 3 つの視点

「そうは言っても、語れる経験なんてない…」という方へ。心配ありません。以下の 3 つの視点で、あなたの大学生活を振り返ってみてください。

1. 「成果」ではなく「プロセス」で考える

「売上が 2 倍になった」 「大会で優勝した」といった輝かしい成果は不要です。むしろ、「目標達成のために、どんな壁にぶつかり、どう乗り越えようと試行錯誤したか」というプロセスにこそ、あなたの強みは隠されています。

2. 「学業」や「アルバイト」など、身近なテーマを深掘りする

ゼミの研究、実験、レポート作成。居酒屋やカフェでのアルバイト。これらは全て、立派なガクチカのテーマになり得ます。「お客様の満足度を上げるために、マニュアルにない工夫をした」 「難解な論文を理解するために、友人と勉強会を開いた」など、あなたの主体的な行動が必ずあったはずです。

3. 「成功体験」だけでなく「失敗・挫折体験」も宝の山

むしろ、失敗から何を学び、次どう活かしたか、というストーリーの方が、あなたの人間的な深みや成長ポテンシャルを示すことができます。「サークル運営で対立が起きたが、対話を重ねて乗り越えた」 「目標達成はできなかったが、その過程で〇〇という課題を発見し、改善策を後輩に引き継いだ」といった経験は、非常に価値が高いのです。


【最強の構成】人事に伝わるガクチカのフレームワーク「STAR メソッド」

経験という原石が見つかったら、次はこの「STAR メソッド」という型に沿って磨き上げていきましょう。これは、あなたの話を驚くほど論理的で分かりやすくする魔法のフレームワークです。

  • S (Situation): 状況 あなたが置かれていた状況や、関わっていた組織の背景を簡潔に説明します。
  • T (Task): 課題・目標 その状況で、あなたが取り組むべきだった課題や、掲げた目標を具体的に示します。
  • A (Action): 行動 その課題解決・目標達成のために、あなたが「自ら考え、工夫して」起こした行動を、具体的に記述します。ここがガクチカの心臓部です。
  • R (Result): 結果 あなたの行動が、最終的にどんな結果に繋がったのかを述べます。そして、その経験から何を学んだのかを伝えます。

【例文で学ぶ】OK 例文と NG 例文の比較

同じ「カフェのアルバイト」というテーマでも、STAR メソッドを使うとこれだけ変わります。

【NG 例文 ❌】

学生時代はカフェのアルバイトに力を入れました。お客様に快適な空間を提供するため、常に笑顔での接客を心がけ、清掃にも真摯に取り組みました。その結果、店長から接客態度を褒めていただき、やりがいを感じました。

(→ 何が課題で、どんな工夫をしたのかが全く伝わらない)

【OK 例文 ✅】

(S)私がアルバイトリーダーを務めるカフェでは、お客様の満足度が伸び悩んでいました。 (T)アンケートから「ピーク時の待ち時間の長さ」が原因だと突き止め、私は「注文から提供までの時間を平均 3 分から 2 分に短縮する」という目標を掲げました。 (A)そのために、私は 2 つの施策を実行しました。第一に、過去の売上データから時間帯別の人気商品を分析し、ピーク前に仕込みを集中させる効率的なワークフローを考案しました。第二に、新人向けのイラスト付き簡易マニュアルを自主的に作成し、トレーニング時間を短縮させ、チーム全体の練度向上を図りました。 (R)結果、目標だった 2 分への時間短縮を達成し、アンケートの満足度も 5 段階評価で平均 3.5 から 4.2 に向上しました。この経験から、現状分析から課題を特定し、周囲を巻き込みながら解決策を実行する重要性を学びました。


まとめ:ガクチカは、あなただけの物語

ガクチカに、正解や優劣はありません。どんな些細な経験でも、あなたの思考と行動が伴っていれば、それは立派なアピールポイントになります。

今回ご紹介した探し方とフレームワークを使って、ぜひあなただけのオリジナルな物語を紡いでみてください。その物語は、必ずや採用担当者の心を動かすはずです。

そして、その物語を企業の求める人物像に合わせて調整する際には、『Gyo-Kai Compass』の企業分析シートが役立ちます。ぜひ、あなたの就活戦略の司令塔としてご活用ください。

Gyo-Kai Compass を無料で始める