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【就活版】会社四季報の使い方がわかる!見るべき 5 つの項目と注意点

2025/9/11

会社四季報の使用方法をマスターしてライバルに差をつけよう!

【就活版】会社四季報の使い方がわかる!見るべき 5 つの項目と注意点

就職活動を進める中で、多くの先輩やキャリアセンターのアドバイザーから「『会社四季報』は絶対に読むべき」と勧められた経験はありませんか?

就活の「バイブル」とまで言われるこの分厚い本。しかし、いざ手に取ってみると、細かい数字と専門用語の羅列に圧倒され、

「どこから読めばいいのか分からない…」

「矢印とかニコちゃんマークとか、記号の意味が分からない…」

「結局、この本の情報をどう就活に活かせばいいの?」

と感じて、本棚の肥やしにしてしまっている人も少なくないでしょう。

それは、非常にもったいない! 『会社四季報』は、企業の「PR」という名の化粧を剥がし、客観的なデータという「素顔」を見せてくれる、就活生にとって最強の武器の一つです。

この記事では、そんな『会社四季報』のポテンシャルを 120%引き出すための、就活生が絶対に見るべき 5 つの最重要項目と、情報を読み解く上での注意点を徹底的に解説します。

(※本記事で言及する『会社四季報』は、株式会社東洋経済新報社の登録商標です。)


なぜ就活で『会社四季報』は「バイブル」と呼ばれるのか?

企業のウェブサイトやパンフレットも重要な情報源ですが、それらは基本的に「自社を良く見せるため」の広報(PR)情報です。

一方で、『会社四季報』は、第三者である東洋経済新報社の記者が、独自の調査と取材に基づいて企業の客観的なデータをまとめたものです。そこには、企業が必ずしも公にしたくないような情報(例えば、離職率など)も、公平な視点で掲載されています。

つまり、『会社四季報』を読むことで、企業の「建前」と「本音」の両面を見比べ、より深く、多角的に企業を理解することができるのです。


【最重要】就活生が絶対に見るべき 5 つの項目

四季報には膨大な情報が詰まっていますが、全てを読み込む必要はありません。まずは以下の 5 つの項目に絞ってチェックするだけで、企業の核心に迫ることができます。

1. 業績・財務:「矢印」と「ニコちゃんマーク」で直感的に把握

企業の健康状態を示す最も基本的な指標です。四季報の素晴らしい点は、これが直感的に分かるように工夫されていることです。

  • 業績欄の矢印: 売上高や営業利益の横にある矢印が「上向き」なら好調、「横ばい」なら安定、「下向き」なら不調、と一目で分かります。特に、記者が予想する来期、再来期の見通し(太字の数字)の矢印は、その企業の成長性を示す重要なサインです。
  • ニコちゃんマーク: 業績予想の強気度を示すマークです。ニコニコ顔なら会社予想よりも強気、普通の顔なら同水準、悲しい顔なら弱気、という記者の見立てが分かります。

2. 待遇:「平均年収」と「平均年齢」でリアルな姿を見る

あなたのライフプランにも関わる重要なデータです。

  • 平均年収: その企業で働く社員が、平均でどれくらいの給与をもらっているかを示します。ただし、これはあくまで全年齢の平均値です。
  • 平均年齢: 平均年齢が高い企業は、社員が長く働いている安定した環境である可能性もあれば、若手の裁量権が少ない年功序列の文化である可能性も考えられます。逆に、平均年齢が低い企業は、活気があり成長中である一方、人の入れ替わりが激しい可能性もあります。平均年収とセットで見ることで、様々な仮説を立てることができます。

3. 人材活用:「3 年後離職率」と「有給取得年平均」は要チェック

いわゆる「ホワイト企業」を見極めるための最重要データと言っても過言ではありません。

  • 3 年後離職率: 新卒で入社した社員が、3 年後にどれくらい退職しているかを示す割合です。一般的に、この数値が低いほど、若手社員が定着しやすい働きやすい環境であると推測できます。
  • 有給取得年平均: 社員が年間にどれくらい有給休暇を取得しているかを示します。この日数が多ければ、休みが取りやすいカルチャーである可能性が高いです。

これらのデータは、企業の公式ウェブサイトではなかなか公開されていない、四季報ならではの価値ある情報です。

4. 業界での立ち位置:「特色」と「比較会社」

  • 【特色】: 記事欄の冒頭にある、その企業を一言で表す解説文です。「業界首位」 「〇〇に強み」など、企業の核心的な特徴が凝縮されています。
  • 【比較会社】: 株価チャートの横に、同業他社が数社リストアップされています。ここを見ることで、今まで知らなかった業界内のライバル企業や、比較検討すべき企業を新たに見つけることができます。

5. 将来性:「見出し」のキーワードに注目

【特色】の隣にある、数文字のキャッチーな見出し。これは、記者がその企業の今後をどう見ているかを示す、いわば「未来予測」です。

「最高益」 「上振れ」といったポジティブな言葉もあれば、「足踏み」 「停滞」といったネガティブな言葉もあります。また、「DX 投資」 「海外展開」など、企業が今まさに注力しているテーマが示されていることもあります。この見出しをヒントに、企業の IR 情報などを深掘りしていくと、より理解が深まります。


『Gyo-Kai Compass』で四季報の情報を一元管理する

『会社四季報』は情報の宝庫ですが、物理的な本であるため、情報を比較したり、自分の考えを追記したりするのが難しい側面もあります。

そこでおすすめなのが、四季報で得た重要なデータを、私たちの業界研究ノートアプリ**『Gyo-Kai Compass』**の「企業分析シート」に入力し、一元管理する方法です。

  • 四季報で調べた「平均年収」や「3 年後離職率」を、該当する企業の分析シートに転記。
  • 複数の企業データを同じフォーマットで並べて比較することで、各社の違いがより明確になる。
  • データだけでなく、「ニコちゃんマークから、記者は強気な見方をしているな」といった自分の考察もメモとして残せる。

紙(四季報)の網羅性と、デジタル(Gyo-Kai Compass)の整理・比較能力を組み合わせることで、あなたの企業分析は他の就活生より何歩も先に進むことができるでしょう。


まとめ

『会社四季報』は、ただ眺めるだけではただの数字の羅列です。しかし、今日ご紹介した 5 つの項目に注目し、「この数字は何を意味するんだろう?」と考える癖をつけるだけで、それはあなただけの強力な武器に変わります。

企業の「素顔」を見抜き、自分だけの視点を持つために、ぜひ『会社四季報』を使いこなしてみてください。

(※『会社四季報』は株式会社東洋経済新報社の登録商標です。本記事は、その活用法を解説するものであり、同社との提携関係を示すものではありません。)

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