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ライバルに差をつける企業分析のやり方| 5 つのフレームワークと IR 情報の読み解き方

2025/9/11

企業分析をマスターしてライバルに差をつけよう!

ライバルに差をつける企業分析のやり方| 5 つのフレームワークと IR 情報の読み解き方

業界研究を進めていくと、次にあなたが向き合うことになるのが**「企業分析」**というステップです。

「気になる企業はいくつか見つかったけれど、それぞれの違いがよく分からない…」

「“貴社の将来性に惹かれました”だけでは、志望動機が浅いと言われそう…」

「IR 情報って、どこを見ればいいの?数字ばかりで難しすぎる…」

多くの就活生が、この企業分析の深掘りで悩み、ライバルとの差別化に苦しんでいます。

しかし、安心してください。企業分析には、**誰でも実践できる「型」と思考の「フレームワーク」**が存在します。

この記事では、数多くの企業を分析してきた私たちが、「これだけ押さえれば OK」という 5 つの分析フレームワークと、少し難しく見えるIR 情報を読み解くための実践的なコツを、分かりやすく解説します。

表面的な情報収集から一歩踏み出し、企業の「本質」を見抜く力を手に入れましょう。


企業分析とは?業界研究との違いを理解する

まず、業界研究と企業分析の違いを明確にしておきましょう。

  • 業界研究: 業界という「市場」全体の構造やトレンド、力関係をマクロな視点で理解すること。
  • 企業分析: その市場に参加している個別の企業(プレイヤー)の経営戦略や財務状況、組織文化などをミクロな視点で深掘りすること。

業界研究が「どんなサッカーリーグが、今盛り上がっているのか?」を調べることだとすれば、企業分析は「そのリーグの A チームは、どんな戦術で、どんな選手が活躍しているのか?」を分析するようなものです。この両輪があって初めて、あなたの企業選びの精度は格段に上がります。


これだけは押さえたい!企業分析の 5 つの必須項目(フレームワーク)

企業のどこを見ればいいか分からない…という方は、まず以下の 5 つの視点で情報を整理してみてください。

1. 事業内容(ビジネスモデル):どうやって儲けているか?

全ての基本は、その会社が「どうやって利益を上げているか」を理解することです。

  • 誰に? (顧客): 法人向け(BtoB)か、一般消費者向け(BtoC)か。
  • 何を? (商品/サービス): 形のあるモノを売っているのか、無形のサービスを提供しているのか。
  • どうやって? (販売方法): 売り切りモデルか、月額課金(サブスクリプション)モデルか。
  • 主要事業は?: 企業の IR サイトにある「セグメント情報」を見ると、どの事業が売上の何%を占めているかが分かります。その会社の「稼ぎ頭」を知ることができます。

2. 業績・財務状況:会社の体力はどれくらいか?

企業の健康状態をチェックしましょう。IR 情報の「決算短信」や「決算説明会資料」を見るのが基本です。難しく考える必要はありません。まずは以下の 3 点に注目してみましょう。

  • 売上高: 会社の事業規模を示します。伸びているか、横ばいか、減少しているか。
  • 営業利益: 本業での儲けを示します。売上が伸びていても、利益が減っていれば「何か問題があるかも?」と考えるきっかけになります。
  • 利益率 (営業利益 ÷ 売上高): 収益性の高さを示します。この率が高いほど、効率的に稼げるビジネスであると言えます。同業他社と比較してみるのが非常に有効です。

3. 強み・弱み(SWOT 分析):何が得意で、何が課題か?

その企業がなぜ選ばれ、なぜ勝ち残っているのか。その本質を探ります。

  • 強み (Strength): 他社には真似できない技術力、圧倒的なブランド力、強固な顧客基盤など。
  • 弱み (Weakness): 特定の事業への過度な依存、海外展開の遅れ、旧態依然とした組織体制など。
  • 機会 (Opportunity): 社会の変化(例: 高齢化、環境意識の高まり)によって、その企業に追い風となる要素は何か。
  • 脅威 (Threat): 競争の激化、法規制の変更、新技術の登場など、その企業にとって向かい風となる要素は何か。

この分析は、あなたの「入社後、どう貢献したいか」を考える上で、非常に重要なヒントになります。

4. 社風・文化:どんな人が働いているか?

どんなに優れた事業内容でも、働く環境が自分に合わなければ長続きしません。

  • 採用サイトのメッセージ: 社長メッセージや社員インタビューから、企業がどんな価値観を大切にしているかを読み解きます。
  • OB/OG 訪問: 実際に働く先輩社員の話を聞くのが最も確実な方法です。
  • 口コミサイト: OpenWork などの口コミサイトも参考になりますが、あくまで個人の意見として、多角的な視点を持つことが重要です。

5. 将来性・ビジョン:どこへ向かっているのか?

その企業が、3 年後、5 年後、どんな会社になろうとしているのか。その船が向かう先を確かめましょう。

  • 中期経営計画: 多くの企業が、数年後の中期的な目標や戦略をまとめた資料を公開しています。「DX」 「グローバル」 「M&A」など、その企業が今、何に力を入れようとしているかが分かります。
  • 社長のメッセージ: トップが何を考え、どんな未来を描いているかは、企業の方向性を知る上で最も重要な情報の一つです。

企業分析を『Gyo-Kai Compass』で効率化する

これら 5 つのフレームワークを、自力で Excel やノートにまとめるのは大変な作業です。

私たちの業界研究ノートアプリ**『Gyo-Kai Compass』には、この思考の流れに沿った「企業分析シート」**が標準で搭載されています。「事業内容」 「強み・弱み」といった項目が予め用意されているので、あなたは集めた情報をその型に流し込んでいくだけ。

散らかった情報が構造化され、複数の企業を同じフォーマットで比較することで、各社の違いが驚くほどクリアに見えてきます。


結論:企業分析は「自分なりの視点」を持つためのトレーニング

企業分析のゴールは、企業の情報を完璧に暗記することではありません。 集めた情報(Fact)を元に、**「自分は、この会社をこう思う」 「この会社の未来は、こうなるのではないか」**という、あなただけの「視点(Opinion)」を持つことです。

その視点こそが、面接官の心を動かし、「この学生は、物事の本質を捉えようとしているな」と評価されるポイントになります。

今回ご紹介した 5 つのフレームワークは、その「自分なりの視点」を鍛えるためのトレーニングメニューです。ぜひ、気になる企業をこのフレームワークに当てはめて、分析してみてください。今まで見えなかった企業の姿が、きっと見えてくるはずです。

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