【完全版】エントリーシート(ES)の書き方|選考を通過する構成と設問別例文を徹底解説
就職活動における最初の関門、そして、あなたという人間を企業に初めてプレゼンテーションする最重要書類、それが**「エントリーシート(ES)」**です。
WEB テストの結果が良くても、ES が魅力的でなければ、面接という次のステージに進むことすらできません。採用担当者は、毎日何十、何百という ES に目を通します。その中で、あなたの ES を「お、この学生に会ってみたい」と思わせるためには、戦略的な思考と、相手に伝わる文章構成の技術が不可欠です。
「何から書けばいいか分からない…」
「言いたいことはあるのに、うまくまとまらない…」
「ガクチカと自己 PR と志望動機、どうやって一貫性を持たせればいいの?」
この記事では、そんな ES に関するあらゆる悩みを解決するため、採用担当者の視点から、全ての設問に共通する最強の構成「PREP 法」、そして設問別の具体的な書き方と例文まで、ES 作成の全てを、この一枚に凝縮して徹底解説します。
まず知るべき、採用担当者が ES で見る 3 つのポイント
あなたの ES を手に取った採用担当者は、主に以下の 3 つのポイントをチェックしています。
- 論理的思考力と文章力: 質問の意図を正しく理解し、結論から分かりやすく、簡潔に文章を構成できるか。これは、社会人としての基本的な能力の証明です。
- ポテンシャルと人柄: ES に書かれた経験や考え方から、あなたが入社後、どんな風に活躍してくれそうか、どんな人柄なのかを想像しています。
- 企業への熱意とマッチ度: なぜうちの会社なのか。その志望動機は、企業の理念や事業とどれだけ深く結びついているか。その熱意と相性を見ています。
全ての設問に共通する「PREP 法」という最強の構成
ES を書く上で、最も強力な武器となるのが**「PREP 法」**という文章構成のフレームワークです。
- P (Point): 結論 → まず、質問に対する答え(結論)を一言で述べる。
- R (Reason): 理由 → なぜ、その結論に至ったのか、理由を説明する。
- E (Example): 具体例 → その理由を裏付ける、具体的なエピソードを提示する。
- P (Point): 結論(再) → 最後に、もう一度結論を述べ、入社後の貢献意欲などに繋げる。
この型に沿って書くだけで、あなたの文章は驚くほど論理的で、説得力のあるものに変わります。
【設問別】ES の書き方と例文
1. ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)
- 目的: 課題解決能力や主体性、人柄を示す。
- ポイント: PREP 法と、具体的な行動を詳細に記述する「STAR メソッド」を組み合わせると最強です。結果の大小ではなく、あなたの思考と行動のプロセスを具体的に書きましょう。
- 例文:
- (P)私が学生時代に最も力を入れたのは、所属するテニスサークルで、新入生の定着率を 30%から 80%に向上させたことです。
- (R)当初、新入生の多くが練習の厳しさや先輩との交流不足から、夏休み前に辞めてしまうという課題がありました。私は、誰もが楽しめるサークルにしたいと考え、この課題解決に取り組みました。
- (E)まず、新入生全員にヒアリングを行い、課題の原因を「実力差による練習の画一化」と「縦の繋がりの希薄さ」だと特定しました。そこで、練習メニューをレベル別の 3 コース制にし、初心者も気兼ねなく参加できる環境を整えました。さらに、月一で先輩と後輩がペアを組む交流イベントを企画・実行し、コミュニケーションの活性化を図りました。
- (P)結果、定着率を大幅に改善できました。この経験から学んだ課題特定力と周囲を巻き込む実行力を、貴社の〇〇という業務で活かしたいです。
2. 自己 PR(あなたの強み)
- 目的: 自分の最も優れた能力・人柄を提示し、企業でどう活かせるかをアピールする。
- ポイント: あなたの「キャッチコピー」です。PREP 法に沿って、強み → エピソード → 貢献、の流れを意識しましょう。
- 例文:
- (P)私の強みは、異なる意見を持つ人々の間に立ち、合意形成を促す調整力です。
- (R)大学のグループワークで、テーマの方向性を巡り意見が対立した際、この強みが発揮されました。
- (E)私は、まず対立する双方の意見を個別に、先入観なく傾聴しました。そして、両者の意見の根底には「より良いものを作りたい」という共通の想いがあることを確認し、それを全員に共有しました。その上で、双方の案のメリットを組み合わせた第三の案を提示し、全員が納得する形で議論を再スタートさせることができました。
- (P)この調整力を活かし、多様な専門家が集まる貴社のプロジェクトチームにおいて、円滑なコミュニケーションを促進し、成果の最大化に貢献したいです。
3. 志望動機
- 目的: なぜこの業界、なぜこの会社なのかを明確にし、入社意欲の高さを示す。
- ポイント: 「業界(Why)→ 企業(Why)→ 貢献(How)」の 3 段構成で語るのが王道です。自己分析と企業分析の接続点が、あなたのオリジナリティになります。
4. 長所と短所
- 目的: 自己分析の深さと、客観性、改善意欲を見る。
- ポイント: 長所は自己 PR と同様に。短所は、ただ欠点を述べるだけでなく、「その短所を自覚し、改善のためにどんな努力をしているか」をセットで語ることが絶対条件です。
5. 写真・趣味・特技欄の書き方
- 写真: 指定がなければ、清潔感のある私服で、あなたの人柄が伝わるスナップ写真が良いでしょう。ただし、企業文化によります。
- 趣味・特技: 人柄を伝えるチャンスです。「読書」と書くよりは、「年間 100 冊のビジネス書を読むことです。特に〇〇の分野に関心があります」と書く方が、具体的で興味を引きます。
Gyo-Kai Compass で、ES 全体の論理的一貫性を創り出す
ES で最も重要なのは、ガクチカ、自己 PR、志望動機など、全ての項目を貫く**「あなたという人間のストーリーの一貫性」**です。 「調整力が強み」だと言っているのに、ガクチカが「一人で黙々と研究した」話では、説得力がありません。
私たちのアプリ**『Gyo-Kai Compass』**は、自己分析、企業分析、そして最終アウトプットまでを一つの流れで管理することで、あなたの ES に強固な論理的背骨を通す手助けをします。各シートに書き留めたあなたの思考の断片が、ES という一つの作品になった時、そこには一貫した輝きが生まれるはずです。
まとめ
ES は、あなたから企業への、最初のラブレターです。見た目を整え、相手のことを想い、そして自分の言葉で、誠実に情熱を伝える。その基本は、就職活動も恋愛も同じなのかもしれません。 この記事を参考に、ぜひ、あなたの魅力が最大限に伝わる ES を書き上げてください。